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ここではインドネシアの基礎的な医療情報と日本語・英語の通じる医療施設をご紹介します。
インドネシアは高温多湿の気候のためウイルス、細菌、カビなどが繁殖しやすい状況にあり、特に消化器感染症(下痢、食中毒等)に注意する必要があります。また近年、蚊が媒介するデング熱の患者が増加しており、蚊への注意も必要です。更に、ジャカルタほか多大都市で排気ガスのために呼吸器疾患の増加に拍車がかかっています。医療機関のレベルは日本に比べてまだまだ及ばないのが現状です。万一病院(設備の比較的整った私立病院)を受診する際に、保険等による支払い保証がないと受診前に高額(1000~1600USドル)の保証金要求されることがあります。これらを勘案して、いざという時のため旅行傷害保険には必ず加入されることをおすすめ致します。
感染性腸炎・下痢症
:
細菌やウイルスなどが原因となって下痢を起こす疾患の総称で、多くの方が罹患する疾患です。経口的に感染します。原因としてはレストラン等の料理(火の通っていないもの)や生野菜・カットフルーツ・氷などが多いようですが、不潔な食器から移ることもあります。
アメーバ赤痢
:
原虫が原因で、主として経口的に感染します。腹痛、下痢、血便、発熱等を引き起こします。
デング熱
:
近年雨期を中心に、ジャカルタ等の大都会ほか全国で流行しています。この疾患はウイルスが原因で、蚊(ネッタイシマカ)に刺されて感染します。一般にネッタイシマカは日中に刺咬すると言われますが、当国では夜間に刺されて感染した方も少なくありません。症状としては、38度程度の熱が5日ほど続き、その後発疹が出現します。重症の場合、出血熱やショックを引き起こすことがあります。インドネシア内のどこに滞在しても必ず防蚊対策を取って下さい。
腸チフス
:
細菌が原因で経口的に感染します。高熱、全身消耗が主な症状で、時々重症化し、適切な治療を受けられないと生命に関わることもあります。また、治療が不十分な場合には長期化します。
A型肝炎
:
ウイルスが原因で経口的に感染します。つまり、前述の感染性腸炎と同じように食べ物などから移ります。
B型肝炎
:
ウイルスが原因で血液や体液を介して感染します。性行為、医療行為、母子感染によって移ることがほとんどです。インドネシアは、東南アジアでも、キャリア(他人に感染可能な方)が多い国の一つに挙げられています。
マラリア
:
原虫がハマダラカを媒介して感染します。日本人が罹患すると致死的になるタイプである熱帯熱マラリアの割合が高いとされています。大都市ではみられませんが、パプア州、東ヌサトゥンガラ州、中部スラウェシ州、西ヌサトゥンガラ州、西カリマンタン州の一部山間地で通年流行しています。多くはクロロキンが効くようですが一部クロロキン耐性のものも含まれます。長期に汚染地域に滞在する場合に限り、滞在場所を勘案し、専門医に予防に関する意見を聞いてください。状況に応じてメフロキンあるいはドキシサイクリンの予防的内服が必要です。尚、インドネシア内ではメフロキンは容易に入手できないことを追記しておきます。
食べ物
:
食べ物についての基本的注意(熱い物を熱いうちに食べる)を守り、生水、氷も避けて、飲料には市販のミネラルウォーターを使って下さい。レストラン等で食器が汚かったり、濡れている場合、乾いたティッシュペーパー等できれいにしてからの使用も重要です。
蚊対策
:
前述の通り、近年特に都市部でデング熱の流行が目立っています。蚊に刺されないようにしてください。家の中に蚊を入れないように、窓や扉の開閉時注意(網戸を用いる等)し、蚊が入ったら退治しましょう。また、家の周囲に蚊の繁殖出来る場所を作らないように注意してください。植木鉢や空き缶等ゴミの僅かな水でも蚊は繁殖しますので、よくチェックしてください。また、マラリア汚染地帯に長期滞在される方は更に厳重に蚊に刺されないように注意することが必要です。
脱水対策
:
日中の日差しは強く、特に野外でスポーツをする場合には、汗などで体から多量の水分が失われるため脱水になりやすいので、のどが渇く前に水分(スポーツドリンク等)を補給して下さい。外出時の日差し対策に帽子も有用です。
暑さと疲れ
:
炎天下の野外とエアコンのきいた建物内への移動は予想以上に疲労が蓄積します。また、通年暑いため夜間の睡眠が浅くなりがちです。体力の消耗に注意して下さい。短期で旅行される際でも、余裕を持った日程を組んで、また、長期で滞在される方は定期的に休暇を取り、精神的にもリフレッシュするようにして下さい。
赴任者に必要な予防接種
:
赴任前に日本でできるだけ受けて来ることをおすすめします。小児期に必要な予防接種である、BCG・三種混合・ポリオ、は必須です。また、麻疹・風疹・流行性耳下腺炎・水痘も受けておいた方がよいでしょう。このほか日本脳炎、ポリオの3回目接種も受けておいた方が良いです。成人は、A型肝炎、B型肝炎、破傷風は接種しておくことをお勧めします。また、赴任者はインドネシアに到着後、生活状況に合わせて、腸チフスの予防接種(経口もあります)を受けることを検討してください。これは日本では受けられませんので、インドネシアに来てから(若しくは近隣国で)、医療機関に相談ください。
現地の小児定期予防接種一覧
:
初回
2回目
3回目
BCG
3ヶ月以内
ポリオ
2ヶ月
3~4ヶ月
5~6ヶ月
DPT
2ヶ月
4ヶ月
6ヶ月
MMR
1~1.5才
6~12才
B型肝炎
出生直後
1~2ヶ月
6~9ヶ月
インフルエンザB
2ヶ月
4ヶ月
6ヶ月
その他:ポリオは経口。MMR、B型肝炎、インフルエンザBは任意接種。各ワクチン接種は時期を含め施行する医師が決定しますので、詳細は医療機関にご相談ください。
小児が現地校に入学・入園する際に必要な予防接種証明
:
書類の提出等の必要性は聞いていませんが、母子手帳及び過去の全ての予防接種の記録は必ず持参してください。
インドネシア医療情報については下記ホームページをご参照下さい。
外務省ホームページ内「在外公館医務官情報」
URL:
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/index.html